導入事例

電話中心の運用から脱却!QナビORDERで可視化・標準化・時短を実現

株式会社
カインズフードサービス|株式会社カインズフードサービス
飲食店舗運営

株式会社
カインズフードサービス

柳沢 武さま 店舗開発グループ
店舗開発·設計·設備担当
企業名
株式会社カインズフードサービス
事業内容
カインズのフードサービスチェーン及び催事、自動販売機管理業務
導入範囲
108店舗(2025年8月時点)

Before導入前

  • 設備管理を他業務と兼務の1名で対応
  • 受付・手配・調整・見積・承認・立会・報告・請求までを電話中心で運用
  • 緊急案件が1日2〜4件発生し、対応に平均2〜3時間(案件次第で丸1日)
  • 連絡や工程の抜け漏れが発生し、初期不良が悪化して機会損失・信頼低下・コスト増
  • 依頼先の特定が属人的で、電話がつながらないと次工程に進めない

After導入後

  • 依頼〜見積〜承認〜作業〜報告の一元管理をQナビORDER(以下、Qナビ)に統一
  • スマホ起点で迷わず依頼でき、現場の初動が早期化
  • 5W1Hの統一フォーマットで記録を標準化し、ダッシュボードで要所を約10分で把握
  • 日々の対応時間は体感で約30分に短縮し、集中時間を確保
  • 過去実績に基づく業者選定が可能になり、対応速度も改善

株式会社カインズフードサービスさまは、「安らぎと美味しさを通して、すべての人を笑顔にする」という理念のもと、全国108店舗を展開しています。主な業態は、ラーメンやミニ丼が人気の「カインズキッチン」、店内焼成マフィンとコクのあるコーヒーが楽しめる「CAFE BRICCO(カフェブリッコ)」、たい焼き・たこ焼きの「鯛あん吉日」「やきもの本舗」などです。
グループ会社であるホームセンター「カインズ」(株式会社カインズ)店内のテナントを中心に、買い物の合間に一息つける“安らぎの場”として運営しています。
近年はマフィンの人気が高まったことを受け、マフィン専門店「CAFE BRICCO muffins(カフェブリッコマフィンズ)」を東京都・府中駅前の商業施設に出店するなど、店外への挑戦も始まっています。
本記事では、店舗開発・設計・設備担当の柳沢さまに、導入前の課題、全件Qナビ化で見えた効果と運用のコツ、今後のメンテナンスDXの展望について伺いました。

CHAPTER 01

108店舗の設備管理を“人力”で回す限界

Qナビ導入前、設備管理は他業務と兼務の1名体制でした。修理受付、業者手配、現地調整、見積確認、決済、立会い、完了確認、報告書保管、請求処理までを電話中心で回しており、緊急案件は1日に2〜4件発生することもありました。柳沢さまは「平均でも1日2〜3時間、場合によっては丸1日。別業務への影響は避けられませんでした」と振り返ります。

初動が遅れると、小さな水漏れが大きな漏水へ、軽微な異音が致命的な故障へと発展します。現場の経験や知識への依存が強い状態では、アルバイトが1名体制で回す店舗で「何をどこに連絡すべきか」で立ち止まり、連絡自体が遅れる・抜けるリスクも高まりました。業者選定も属人的で、電話がつながらないと工程が止まり、滞留しやすい構造になっていました。

CHAPTER 02

“入口を軽く”、全案件をQナビに統一

選定の決め手は、全国対応力と工程管理のしやすさ、そしてスマホで“すぐ依頼できる”操作性でした。柳沢さまは「依頼のしやすさが何より重要です」と強調します。依頼のハードルが下がれば、現場はためらわずに早期共有でき、被害拡大やコスト増を抑えやすくなるからです。パソコン操作が苦手な年代にもスマホ起点は相性がよく、簡単に依頼できる点が現場定着を後押ししました。

運用面では「すべての修理案件は基本的にQナビ経由」というルールを明確化しました。従来の“直接電話”に戻ってしまうと履歴が分岐して進捗追跡ができないため、まずは全件をQナビに集約することに注力しています。従来のやり方を無理なくシステム運用へつなげることで、現場への負担も抑えています。

CHAPTER 03

5W1Hで刻む記録、10分で把握できる要所

導入後は、依頼〜見積〜承認〜作業〜報告までの工程がシステム上で一本化され、案件ステータスが可視化されました。柳沢さまは「重点管理として『依頼は出ているが進んでいない』『見積は出ているが進んでいない』の2点をダッシュボードで確認することは、10分程度で把握できます」と話します。

記録の標準化にもこだわりました。誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように(5W1H)を同一フォーマットで蓄積することで、設備投資の判断や業者選定の根拠が明確になり、属人性の排除と予防保全につながります。「情報は非常に価値がある資産。同じ形式でストックできることが、未来のために重要です」と柳沢さま。工程の見える化と記録の標準化が、“スムーズな店舗運営”に効き始めています。

CHAPTER 04

“電話に縛られない”ことで生まれた集中時間

体感値では、日々の設備対応時間は1日約1時間程度まで短縮されました。随時割り込む“細切れ対応”が減り、集中すべき業務時間を取り戻しています。依頼の継続的なプッシュと履歴の集約によって、業者の対応速度が上がったケースもあり、過去の実績が見えることで信頼できる業者の選択もしやすくなりました。柳沢さまは「今はQナビがなかったら正直立ち行かない」と強調します。

一方で、現場の感じ方へのケアも欠かしません。電話だと“話して頷かれた=動き始めてくれた”という実感が得やすいのに対し、アプリ依頼は最初のうちは体感速度が遅く感じられる人もいます。「そこは使い方の理解が進めば解消できる部分。まずは使って慣れてもらうことが大切です」と柳沢さま。結果として全体の対応は早まっており、何より記録と工程が一本化される価値が勝っていると見ています。

CHAPTER 05

“依頼の前”を設計し、予防へつなぐ

同社が描く次の一手は“依頼前”の設計です。修理依頼の画面に現場での初動チェックをわかりやすく提示し、店頭で解決できる軽微トラブルをふるい分ける構想です。「『コンセントは抜けていませんか』『ブレーカーは落ちていませんか』といった確認を依頼動線に組み込めれば、よりスムーズで効率的になります」と柳沢さま。自社に蓄積した“よくあるトラブルと対処”をQナビの画面に載せ、グループの知見を全店舗で共有する狙いです。

さらに、標準化データを土台に、来期以降の設備投資を前倒しで予見し、修理を入替に切り替える判断も目指します。属人化を避け、誰が担当しても同じ品質で回せる体制づくりは、店舗運営の持続性に直結します。「最終的には、グローバーの担当者とアイデアを持ち寄って、予防保全とコスト最小化を両立できる仕組みを一緒に形にしたいです」と柳沢さま。

電話依存と属人化により、工程の滞留と初動遅れのリスクを抱えていた設備管理は、Qナビによる一元管理と標準化で大きく前進しました。依頼の“入口が軽い”ことが早期共有を促し、工程の可視化が現場・本部・業者の足並みを揃えます。

株式会社カインズフードサービスさまは、記録資産をもとに“依頼前の設計”と“予防保全”へ舵を切ろうとしています。現場のリアリティに根ざした運用改善が、安定した商品提供と顧客体験の維持に直結している事例です。